一人旅の記録

一人旅の様子を記録します。

オーストラリアの位置の違和感について

先日、旅行の計画を立てている際、夫にGoogleマップを見せて説明したら、「オーストラリアってこんな場所にあったけ…?」と言う。
はて?「え?どーゆうこと?」と聞くと、「こんな近くないし、もっと右の方にポツンとあるイメージだったんだけど。。」と言う。

たしかに。私も、時差が1時間だということが分かったとき、あれ?そんなに近いんだっけ?と違和感を持った。

これが実際の地図。↓

オーストラリアの位置に違和感を感じますか?


いやいやいや、なんかおかしい。
たしかに、オーストラリアってもっと右にあって、太平洋の真ん中寄りにあるイメージだ!
まじで。そして、アジア諸島の国々とだいぶ接近していることに気が付く。

めちゃめちゃ違和感。

で、私の見解としては、教科書って改訂を重ねていくから、昔の技法だともっと右寄りにあったんだけど、今は地図の正確性が増して近づいたんんじゃね?と結論づけた。
しかし、ネットで調べてみるとオーストラリアが右に寄っている地図などない。
私の持っている世界地図も地球儀も全部、日本の真下にオーストラリアがあった。

気持ち悪いー。

ただこの現象、私たちだけではなくて、そうゆう認識を持っている人がとても多いらしいのです。つまり、日本人の多くはもう少し右にあったよね?と思う人が多いらしいのです。

この理由は分かってないらしいのですが、このように間違った認識を多くの人が持っている現象を「マンデラ効果」というらしいですよ。(詳細は調べてみてくださいませ)
他にも色々あるらしいのですが、とても不思議だなあと思いました。
パラレルワールドから来た、なんていう都市伝説的な話にもつながっています。

オーストラリアの人はそんな解釈は持ってないと思うので、日本人特有かもしれません。

ひょんなことからとても興味深い話にたどりつきましたとさ。

出発前!

3年ぶりの海外一人旅が、いよいよ明後日に迫ってきた。
行き先は、オーストラリア。9日間の旅。目的地は、ケアンズエアーズロック
グレートバリアリーフエアーズロック、キュランダ、3つの世界遺産をこの目で見ることが目標である。

今回はすべて個人手配で旅行プランを立てた。とにかくたくさんのタスクをこなした。

・飛行機予約(ジェットスターカンタス航空
・ホテル予約(ケアンズ・グリーン島・エアーズロック
エアーズロックでのオプションツアー予約
・キュランダ鉄道の予約
・ポケットWifiのレンタル
海外旅行保険
・持ち物準備
・成田空港までの移動手段の予約
・はしかの抗体検査
オーストラリアドルへの両替
・オーストラリア入国に必要な「ETA」の登録
・会社の有給休暇取得(これが一番大変)
・天気予報のチェック

などなど、とにかく様々な情報を集め比較検討し、予約の日々。
しかしこれが苦じゃなくとても楽しい。
だから大丈夫。

ただ台風2号が接近してきており、2週間前からやきもきする毎日だった。
不安になることもあったりしたが、今はそれを乗り越えてワクワクドキドキしている。

会社員って本当に大変。日々期待に応えようとして、無理してがんばっていた。
ストレスとプレッシャー、不安が常にあり、気持ちが沈む日々であった。
そんな日々に疑問も持つようになった。

私が今したいことは「旅」。この一点に尽きる。
1週間も休みを取るのは大変です。みんなに迷惑をかけてしまうのでは、と気になり罪悪感すら持ちます。
でも行くのです。自分の人生にとって今一番必要だと思うことを選ぶべきだと思うから。人生はそう長くはない。体が動くうちに行かなければ。そんな気持ちで私は動いていきました。

旅を通して人生を深くしたいのです。
それでは行ってきます。

オーストラリアドル



GO TO オーストラリア!

今年また、海外一人旅に出かけることを決意。
2019年のフランス旅行以降、世界はパンデミックに見舞われ、旅行することが難しい世の中になった。

そして2023年、長らく続いてきた水際対策も緩和され、旅行が可能な雰囲気に。
コロナに戦争、自然災害…明日をも知れぬ世の中で、“また来年”というチャンスはないかもしれない。なので、行けるときに行く、それが大切だと思った。

今年はオーストラリアへ行く。死ぬまでに見たいもの・行きたいものリストに入っているエアーズロックを見るために。その他にはグレートバリアリーフやキュランダなどの世界遺産も訪れようと思う。

そんなわけで、旅行の準備やホテルや航空券の手配を始めた。今年のGWはそれにすべてを費やした。

2019 一人旅 in フランス。 14

2019.5.5.Sun
フランス旅行5日目(最終日)

初めてのフランス一人旅も、あっという間に終わり帰国の日。
昨日の夜は、タクシー代が払えないというトラブルに見舞われ大パニックになったが、なんとか解決することができ、帰国の途に。

ホッとした気持ちで、最後の荷造りをする。

ホテルからシャルルドゴール空港までは、日本の会社に送迎を頼んでいた。
日本人の男性が迎えに来てくれて、久々に日本人と会話することができ、とても安心した。

この送迎は少々コストはかかるが、荷物を持ってくれたり、空港に着いてからのチケットの手配なども全部やってくれるので、とても楽チンだった。
昨日起きたトラブルのことも、笑い話にして会話をすることで、ようやく落ち着きを取り戻すことができた。

フライトまで時間があったので、昨日のできごとをインスタにアップしたりして、時間を潰した。数時間前までは、「もしかしたら帰れないかもしれない…泣」という恐怖に怯えていたので、帰れるという現実に信じられない気持ちでいっぱいだった。何も起こらない私の人生にも、何かが起きて、それを解決した、ということが、今回の旅の1番の収穫だったかも知れない。

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最終日、シャルルドゴール空港にて。


そして、時刻がせまり機内へ。後は帰るだけ。
帰りの機内のことは、あまり覚えていないが、外国人はトイレの使用の仕方がめちゃくちゃ汚いなあ、ということだけは覚えている。帰りもベトナムノイバイ国際空港で乗り継ぎをし、5月6日の15時頃、無事に羽田空港へ到着した。

久々の日本。こんなにも安堵感があるのかと驚いた。
やはり日本は私のコンフォートゾーンなんだと実感した。
そして、この安心感・清潔感・サービス業の素晴らしさ、すべてが旅行前より際立って見えた。日本にいる限り、私は何も怖くないな、、、そんな感覚を味わえた。
「だって、言葉が通じるのだもの。なんとでもなるわ!」と一回り大きくなれたような気がした。


勝手にランキング。
フランス旅行で驚いたこと ベスト3

1位…トイレ事情(日本のトイレの素晴らしさ。)
これは、もう本当に心底思った。とにかく日本のトイレ事情は恵まれている。
清潔なトイレが、コンビニ、複合施設など、どこにでもあり誰でも無料で使える。更に、トイレットペーパーは必ずあるし、ウォシュレット、音姫まである。こんなことは、フランスでは有り得なかった。「有料・汚い・臭い・紙は基本ない・トイレ自体少ない」こんな状況を味わったので、本当に日本は住み良いと思ったのである。今まで日本でトイレに感謝したことはなかったが、本当にすごいことよ、これは。

だって排泄は生き物にとって絶対に外せない行為。そして人間社会においては、トイレをいかに清潔かつスムーズに生活の中に取り入れていくかというのは、すごく重要なことであるわけで、それを日本の先人たちが、試行錯誤を繰り返して、現代のこの便利なシステムを作ってくれたんだなあ、と思うと、感謝しかないわけです。

そしてそれに輪をかけて、日本人の清潔さ、真面目さなどが相まって、素晴らしいトイレシステムが完成されたのだと思う。この文化は世界に誇るべきものだと本気で思う。


2位…路駐えぐい。
パリに着いて、最初に驚いたのは路上駐車だらけだったこと。通りという通りに、車がびっしり停まっているではありませんか。

でもこれは路上駐車ではなく、ちゃんとした駐車場のシステムらしい。
パリは、シテ島を中心としてうずまき状に発展していった街。なので、もう建物はできあがっており、開発する土地はほとんどなく、狭いのだ。だから新たに駐車場を作ることはできないため、仕方なく道の端を有料にして駐車スペースとしているようだ。

それにしても、車だらけで最初は何ごとかと思った。
しかも車と車の隙間はほとんどなく、どうやって停めたの?状態。パリ人はすごい縦列駐車のテクニックがあるのかもしれない。
そんな状況から、パリで乗る車はバンパーが丈夫じゃないといけないらしい。なぜなら縦列駐車の状態から出るには、前の車にぶつかりながら、ハンドルを切り返して、脱出しなければならないから。そんなことをしたら車の持ち主に怒られそうだが、お互い様の精神なので、これはこれで良いらしい。寛容社会ですね。

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路上には車がびっしり



3位…アンモニア臭する。
花の都パリ。そんなイメージで訪れたが、街を歩いていると時折ツーンとアンモニアの香り。これはトイレ事情にも通じるだろうが、多分男性とかは面倒くさいからその辺でしてしまうんだと思う。
パリを題材にした映画でも、パリの臭いはひどかったと言っていた。昔は排泄物をそのまま流していていたらしい。そんな歴史から、パリ人は悪臭には耐性があるらしい。そんなことはまったくイメージしていなかったので、驚いた。


ネガティブ面ばかりになってしまったが、フランスで良かったところは、
建造物や景色が素晴らしい!ということ。

パリの街並は本当に素晴らしく、圧巻だった。こんな素晴らしい建物が、統一感を持って街を形成していて、それを守り続けているというのは、素敵だなと思った。
また都市を離れた場所にある石造りの家は、景色とマッチししていて、まるで絵本のような世界で、私はとてもうっとりさせられた。放牧されたヤギや羊たちもとても良かった。
モンサンミシェルが良かったのは言うまでもないが、ヨーロッパの風情というのは、私にとって憧れであり、異世界であり、これからもずっとその気持ちは変わらないだろう。
また、今回惜しくも見れなかったルーブル美術館モナリザ)や凱旋門の展望台、ノートルダム大聖堂、またヴェルサイユ宮殿シャンボール城などの古城など、フランスはまだまだ見所だらけであるので、いつかまた訪れたいと思った。


この7日間は、不安、安堵、興奮、感動、寂しさ、喜び、残念、恐怖、達成感、疲労感、感慨など、たくさんの感情がめくるめくように訪れて、それはそれは刺激的な日々だった。しかし、忘れられない人生の1ページとなり、私の走馬灯の中に確実にランクインするであろう思い出となった。

海外一人旅は、チャレンジングなものだが、また行きたいと思えるような体験でもある。一人だからこその緊張、感動、というものがある。一人だと、喋り相手がいないので、しっかりと街を見たり、考えたり、感じたりすることができる。
そんな体験をするために、また一人旅に行こうと決めた。

これにて、2019年フランスの旅の旅行記は終了。
なんとか、2019年のうちに完了することができて良かった。

では、また、旅に出る日まで。

Au revoir!

 

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フランスのお土産たち。スノードームは宝物。



2019 一人旅 in フランス。13

2019.5.4.Sat
フランス旅行5日目。(〜トラブル編〜)

最終日の夜、ライトアップされたエッフェル塔やパリの夜景を観ることができ、満足感で一杯だった。初めての海外、初めてのフランス、パリ、全てが刺激的で、最高の経験だった。旅を振り返り「いい旅だったな〜」と感傷に浸っていた。

そんな思いの中、後はホテルに帰るだけだった。
時刻は22:00過ぎ。

日没を迎え観光客が少なくなってくると、急に不安が押し寄せてきた。なんとなく治安が悪くなったような気がして、急いでタクシーを探した。しかし昼間まで、ひっきりなしに通っていたタクシーがなかなか見つからない。若干焦りつつ、ウロウロ探すこと15分。ようやくタクシー乗り場を見つけ、一台のタクシーをつかまえた。

安堵して、運転手に住所の書いたメモを見せた。
問題なくホテルへ到着した。

会計をするためクレジットカードを渡した。
すると「Non」と運転手が言う。

「Non??....てなーに?」と心の声。

どうやらこのタクシーは、カードは取り扱ってない様子。

「マジ......??」

この日は最終日ということもあり、ユーロを全て使いきってしまっていたのだ。
そして、今回の旅で他に2回タクシーでカードを使用したが、いずれも使用可能だった。その成功体験から、まさかカードが使えないなんていう考えは私の脳から排除されていた。

「嘘でしょ......?この状況、どうしたらいいんだ....?」

軽くパニックである。

とりあえず運転手にそのことを伝えた。「カードしか無い。現金はない。」

運転手は、フランス人ではなさそうだった。中東系の風貌、そして英語は話せない様子。

まず言葉の壁。まったく言語が通じない。
そして一人旅ということで、誰にも助けを求められない、という状況。

にっちもさっちもいかない状態。最善の策が分からない。
パニックに陥っているため、思考能力も低下している。

困っていると、運転手が何か言っている。
「ATM,,,,Bank,,,,,card」

所々は聞き取れて、「ATMでおろせばいい、って言ってるのかな?いや、でも銀行口座なんてないし、クレジットカードで引き出しなんてできないじゃん。。。」と思った。

これは後から知ったことだが、クレジットカードというのは、海外のATMでお金を引き出せるという便利なシステムがあるというじゃありませんか。

そして確かに、パリにはあちこちに24時間使えるATMが壁に埋め込まれているのを見かけた。

そんなことは全く知らなかった私は、ただ途方に暮れているだけだった。

ともかくATMで試してみようということになり、運転手が近くのATMへ連れて行ってくれた。半信半疑のままATMを操作し、チャレンジしてみた。
しかし、Sorry...みたいな文字が出て来て、引き出すことができなかった。

そのことを運転手に伝え、再び別のATMでチャレンジしてみたが、どこのATMでも引き出すことができなかった。

絶望の淵である。

すると運転手が「じゃあ、君のホテルへ行って、立て替えてもらおう」みたいなことを提案してくれた。私も賛成しホテルへ向かった。しかし、この経緯を伝えることは私には無理だと思ったので、運転手にホテル側へ伝えてもらうように頼んだ。

ホテルの中へ入ると、いつもの怖い夜勤の女性スタッフがいた。
運転手が、事情を説明してくれた。するとその女性がすごい剣幕で私に怒鳴り始めた。

「どうやって、払うんだ?お前のために彼は時間を費やしてるんだぞ?ATMを回ってお金を引き出して来い!」と言う。

ホテル側として対応してくれるという様子は全くない。フランスは日本のようなお客様優位の国ではない。だからなんのメリットもない仕事以外のことなんて、する訳が無いのだ。甘い考えは通用しないんだ。。。とがっくりする。

その後もATMを周り、何カ所かチャレンジしてみたが、引き出すことは出来なかった。

再びホテルへ戻り、運転手とフロントが話し合う。
そして運転手は、明日の午後取りに来るからそれまでにお金を取り返しておいて、と言って去って行った。

さて、どうする。ここからフロント女性との1対1の問答が始まった。

結論から言うと、私はパスポートをホテルに没収された。

「お金を払わないと、このパスポートは返せない。あなたは帰国することができない。」と言われた。

この女性からは、私が言葉が分からないふりをしてタクシー代を踏み倒そうとしているように見えたのかもしれない。確かに運営する側から見れば、訳の分からないアジア人を警戒するのは当然といえば当然だ。

だから私は、詐欺じゃないという誠意を見せるため、パスポートを渡した。

「そして、明日の朝7:00までに、タクシー代を払え。」というミッションを与えられた。現在23:45。

この不可能に近いミッション。
どうクリアしたら良いのだろう...?

私は一度冷静になり、ネットなどで情報を収集することが必要だと考え、一度部屋に戻って考える時間をくれ、とフロントに伝えた。
するとフロント女性から「Good Night」と皮肉たっぷりに言われた。

とぼとぼと部屋に戻る。

「なぜ....?なぜ?....なぜ、こんな目に....????」
さっきまで平和だったのに、あともう少しで帰るだけだったのに、なぜこんな状況に追い込まれているのか、訳が分からなかった。

基本的に、私の人生には大きなことは起こらない。
おもしろいできごと、悲しいできごと、びっくりすることなど人に語れるようなことは特に起こらないのが、私の人生だった。

可もなく、不可もないが、トラブルもない人生。それで良かった。
今回もそうして旅を終えられると思っていた。

だのに、なぜ?なんでこんな目に?

もう日本に帰れないかもしれない....。
距離が遠すぎて、家族に相談もできない。(時差あるし、通話料高いし...。)
相談したところで、明日の7時までに現金を用意するなんて無理じゃん....。

日本にいる夫、猫、家族、友人、同僚の顔が浮かんだ。
そして、泣いた。

冷静になって考えれば、次の日に帰れなかったとしてもいつかは帰れただろう。しかし、ホテルの延泊代、飛行機代、など余計な出費が出てしまう、と思うとなんとしても明日帰りたいと思った。

そして色々と調べた結果、フランスの日本大使館に電話することにした。「地球の歩き方」の最後の方のページに載っている、最後の手段的なやつだ。まさか、自分がこの最終手段にお世話になるとは思いも寄らなかった。でも、それしか思い浮かばなかった。

深夜0時をまわっていたが、電話してみると日本人女性の声で「はい、日本大使館です」という日本語が聞こえて来た。

このときの安堵感といったら、筆舌に尽くしがたいものがある。今まで生きてきた中で、1番安心した瞬間だったかも知れない。

涙声で、ことの事情を説明した。すると担当の方が「では、カードでホテルに支払って、ホテルに現金を立て替えてもらったらどうですか?」と言ってくれた。その案は目から鱗で、その手があったか!と思った。「じゃあ、明日相談してみます」と言って、電話を切った。私は日本語を話せたことで、少し冷静さを取り戻すことができた。

とは言っても、まだ不安はいっぱいの気持ちのまま、半泣きで荷造りをしていた。
最終日は余韻に浸り、笑顔で荷造りしたかった...。

不安のまま床についたが、熟睡できるわけもなく、夢うつつのまま朝を迎えた。
イムリミットは7:00なので、5:00に起床しATMを巡ることに決めた。

まずは昨日大使館の人に言われた、代金立て替え案を提案してみた。
しかし、ホテル側がタクシー代を支払うことは禁止されている、という理由から、あっさり断られた。

仕方なく、ATMへ向かった。
昨日調べた情報によると、カードで引き出すことができるという確かな情報と、ATMには引き出し可能なクレジットカード会社のロゴマークが記されているということが分かった。

私は、今回カードを3枚持参していた。メインのVISA1枚、予備のVISA1枚、保険でJCBを1枚。昨日のATMではVISAから引き出すことはできなかった。

朝もやの中、1台のATMを見つける。
「神様、どうかお願いします。」とこの時ばかり神頼みをし、祈るような気持ちでまずメインのVISAを試した。

「Sorry...」

カードが出て来てしまった。

「はぁ〜。やっぱりだめか....」

次、予備のVISAカードを試す。

「Sorry...」

これもまた無情にカードがでてくる。

落ち込む。

そして、ラスト1枚。保険で持って来たJCB。ヨーロッパでは、JCBはあまり使えないという前知識から、昨日は最初からJCBを試さなかった。今回の旅で1度も使用していない。

だからあんまり期待せず、ダメ元で、JCBを試してみた。

すると、今までの2枚とは明らかに違う反応。まるでスロットでもやっているような心境で、「来い!来い!来い!」と祈る。

すると「Please Wait...」という表示が。

「これはもしや、まさか?」心躍る。

すると金額を選べるステップまで進むことができた。30ユーロと入力し、しばし待つ。

すると、なんと、なんと、
ぴゃ〜っと、30ユーロ紙幣が出て来たじゃあーりませんか!!!!!

「おお!!!!ジーザス!!!!ありがとう!!!!!!!!!!!!」

奇跡が起きた。感動と安堵で、うれし泣きだ。

なぜかはよく分からないが、VISAでは引き出せず、JCBで引き出せたのだった。
思い込みというものは怖いものである。そして経験ですら、時に行動の邪魔をしてしまうことがあるということがよく分かった。
JCBは使用できないという思い込み、タクシーでカードを使えたという経験、これらの固定観念のせいで、私は失敗をした。決めつけないことの大切さを学んだのであった。

何はともあれミッションをクリアし、パスポートを返却してもらうことができた。
これで、無事に帰国できることとなったのであった。

良かった、本当に。

2019 一人旅 in フランス。 12

2019.5.4.Sat
フランス旅行5日目。

今日で、旅行も5日目。明日は帰国の日だから、実質今日が最終日。
昨日は念願のモンサンミシェルを見ることができ、目標は達成した。

今日は、再びパリ観光。主にルーブル美術館をゆっくり見ようと決めていた。

だがしかし…あろうことか本日私は風邪をひいた。
一人旅の緊張、疲れ、寒さなどから、ついに身体が反応し表面化してしまった。

なんということだ!なんで今なんだ!
ついていない。というか、体力がない。
どこかに出かけると必ず次の日にどっと疲れが出て、何もしたくなくなってしまう。

とにかく悪寒がし、熱っぽく、完全なる風邪だ。

もう出かける気分じゃない。
ただでさえパリへの恐怖心があるのに、出かける気力が湧かない。

あきらめて、とりあえず眠ることにした。
テレビをつけてみたら、シティーハンターがやっていた。
フランス語版で何を言っているのか分からなかったが、遠く離れたこの地で日本のアニメを見ることができ感動した。

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フランス語版 “シティ ハンター”


なんとももったいなく情けないが、この日は半日以上寝て過ごしてしまった。
14時頃起きると、なんとなく身体が楽になっていた。まだ少し寒気がするが、このまま出かけずに最終日を終えるのはあまりにも虚しいので、歯を食いしばって出かけることにした。

今日の目的はルーブル美術館ノートルダム大聖堂・星の王子様ショップなど。15時半頃に出発した。

しかし外に出てみると寒い。風邪の身体に染みる風。学習能力がない私は、また薄着で外出してしまったので、ホテルに戻り一枚多くインナーを着て再出発した。

移動はバスにて行った。バスの移動も何回かしたが、降りるタイミングがよく分からない。だから適当な所で降りて、歩くのが良い。

まずはルーブル美術館へ向かった。なんとか辿り着いたが、人・人・人…。あの有名な三角形のオブジェの周りにはたくさんの観光客でごった返していた。私もあの三角形を見ることができて嬉しかった。
しかし色々とモタモタしていたため、時間は17:22。チケットの販売は17:30まで。急がねば!といっても並んでいるので、追い抜いてはいけない。ようやくチケット売り場にたどり着いたものの、カウンターは全て閉じられていて、閉店ガラガラ。撃沈した。

モナリザを拝むのも一つの目標だったのだが、見れーず。無念でした。

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ルーブル美術館


悔しいが仕方ない。風邪をひいたのが全て。これは想定外。あきらめるしかない。

そう言い聞かせて気を取り直し、次は星の王子さまショップを目指した。
私は星の王子さまが大好きで、本はもちろん、色々なグッズを集めている。星の王子さまの作者、サン=テグジュペリはフランス人なので、フランスは星の王子様が生まれた場所なのである。そんな本場で専門店があるというのだから、これは絶対に行きたいリストに入れていた。

Google mapを頼りに歩く。街並をゆっくりと見ながら散策した。アーティスティックなの落書き、アトリエ、レンタルキックボードなど、様々なパリらしい風景を見ることができた。そして、星の王子さまショップを発見!
なんとかわいい外観!壁やドアがブルーに塗られていて、星の王子さまの世界観を表現していた。嬉しい。嬉しい。目的をちゃんと果たせたことの達成感で満たされる。

早速中へ入ると、内観もとてもおしゃれで素敵な空間だった。すごく安心できる平和な場所だった。色んなお土産を物色し購入。特にエッフェル塔と王子様が一緒に入ったスノードームは、私のお気に入りである。

しかし日本に帰って気付いたことだが、このスノードームは「made in China」だった…。まあ、現地で買ったということが大切なのさ…。

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念願の星の王子さまショップ


そしてまたふらふらと歩き、ノートルダム大聖堂へ向かった。しかしまたまた残念なことに、火事かデモの影響で中に入ることはできず封鎖されていた。パリの始まりとされる「シテ島」に入ることはできたが、シテ島の中心地の印を踏むことは出来なかった。色々と思惑通りにはいかないものである。

今回見たかった、凱旋門の展望台・ルーブル美術館モナリザ)・ノートルダム大聖堂は見学が叶わなかった。

またいつか、この心残りを成仏させに訪れたいものである。

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ノートルダム大聖堂


そうこう歩いていると、おなかが空いてきた。パリでは日本のラーメン屋さんを多く目にしたので、ラーメン屋へ行こうと歩いた。目的のラーメン屋さんへ向かう途中に、別の「サッポロラーメン」の文字。雨もぱらついて、寒さと空腹だった私は、予定を変更してこの店へ入った。店員さんに日本人もいてホッと一安心。

私は味噌バターラーメンを注文。周りには色んな国のお客さん。日本のラーメンがパリで出店され、それを食べるお客さんがいる。メジャーな料理になっていることが嬉しく、そしてその母国の人間ということでちょっと鼻が高かった。

ラーメンが来た。寒いからだに染みるスープ。箸で食べれる喜び。パリでの最後の晩餐を美味しくいただきました。

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サッポロラーメン in Paris


お腹も満たされ、最後は夜のパリを堪能することにした。ルーブル美術館や、エッフェル塔などのライトアップを見て旅を締めくくることにした。しかし、パリは日没が遅い。21時を過ぎないと暗くならないので、しばらく待った。
日没を過ぎると、暗くなり始め夕暮れのいい雰囲気になる。昼とは全く違う夜のパリが現れた。

ルーブル美術館もライトアップされ、とても綺麗だった。セーヌ川沿いも歩いてみる。夕暮れと街の明かり、明かりの反射された川、夜のクルーズ船…。全てがロマンチックで美しかった。まるでテーマパークのよう。
統一された街並や建築物の美しさでは、日本は到底かなわないと思った。東京は、ビルや街並が無尽蔵にでき、何の法則も統一感もなく雑多な街だ。そのカオスな感じも好きだけど、とにかく計算され完全な統一感のあるパリの街並には感嘆するしかない。

そして、ラッキーなことに、エッフェル塔シャンパンフラッシュを見ることができた!シャンパンフラッシュとは、定時になるとエッフェル塔がキラキラとシャンパンのように輝くイルミネーションのこと。モンサンミシェルツアーのバスガイドさんに教えてもらったが、見ようという気はなかったので、偶然見ることができ、思いの他感動した。
旅行のとても良い締めくくりになった気がして、満足感で満たされた。

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ライトアップされたルーブル美術館

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夕刻のチュイルリー公園

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セーヌ川も夜の顔に

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水面がとにかくが美しい


「がんばって外へ出て良かった。」

そう思った。この瞬間は。
しかしこの1時間後、「やっぱりホテルで大人しくしていれば良かった。」心からそう思うできごとに遭遇するのであった。

このときはまだそれを知る由もない。

つづく。

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締めはシャンパンフラッシュ

 

2019 一人旅 in フランス。 11

2019.5.3.Fri
フランス旅行4日目。

昨日は、念願のモンサンミシェルに訪れることができ、夢が叶った1日だった。
モンサンミシェルそばのホテルに1泊し、今日は1日ゆっくりとすることができる。

何をしようかと、旅行前から考えていた。
ガイドブックなどを調べていると、干潟ウォーキング、遊覧飛行、ミカエルの空ツアー、水彩画などアクティビティも充実している。

色々と迷ったが私は絵を描くことが好きなので、スケッチをすることに決めた。アクティビティとしてではなく、道具を持参し独自にやることにした。

夢であったモンサンミシェルの風景を、写真だけでなく目に焼き付けたい、見るだけでなく「描く」という能動的な体験で旅行をより深いものにしたい、という思いから、スケッチすることに決め、今日のことをすごく楽しみにしていた。

そうして、朝を迎えた。部屋のカーテンを開け、外を見る。
朝方雨が降ったようだが、すっかり晴れてとても気持ちのよい朝だった。

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雨上がりのさわやかな朝


今日の宿は朝食がセットになっている。支度をして早速食べに行った。
食器類がオレンジやライトグリーン色で、とてもかわいかった。
ブッフェスタイルで、パンや、チーズ、ハム、フルーツなどが並べられていた。

食べてみると、これがまたうまい。ハムは塩味が効いていてしっかりとした味。チーズもコクがあって、乳の本来の味がする。チーズはこの辺りの名産品である。地元の味を味わうことができて良かった。食後にコーヒーを頂き、いざスケッチをしに外へ出た。

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朝ごはん


本当に気持ちのよい天気だった。
空気も爽やかで、人も少なく、まさに聖地といった感じだ。

散歩しながら、スケッチポイントを探す。

ホテルの近くには、モンサンミシェルを眺めることのできる橋があった。
景色もよく、ベンチもあり、人通りも少ない。
ここが最適の場所だと思い、ここで描くことに決めた。

アングルや構図を考え、橋、川、モンサンミシェルが見える場所を探し、ベンチに座った。
ぽかぽかとした太陽があたたかく、それだけで幸せな気持ちになった。
のんびりとゆっくりと、その場所でしか味わえない空気を堪能した。

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スケッチポイントの橋

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橋から見たモンサンミシェル


この日のために買った、ドイツのステッドラー社製の水彩色鉛筆とスケッチブックを取り出した。折りたたみざぶとんも持参し、準備は万端だ。

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ステッドラー社製の水彩色鉛筆


オレンジ色の色鉛筆で、アタリを取り始める。
自分との対話の時間。集中して描くと瞑想状態になれる。

風がそよぎ、遠くのモンサンミシェルでは、鐘の音がする。
馬車の音、鳥のさえずり、潮の満ちていく波の音。
なんて、素晴らしい時間だろう。

ここは天国なんじゃないか。そう思えるほどだった。
日常の喧噪を離れ、全てを忘れられる時間だった。

描いていると、道行く外国人が、私のスケッチをのぞき込んで来たり、チラ見していく。プロではないので、恥ずかしいなあと思いつつ、悪い気分ではなかった。

ほとんどの人は何も言わずに通り過ぎていくが、あるフレンドリーな外国人男性(アメリカ人かオーストラリア人かなあ?)が、私の絵を見て「Very Cool!!」と言ってくれたのだった。私はとても嬉しかった。「Thank You!!」と言ったが、こんな風に知らない場所で、知らない人と交流ができることがあるんだ!と一期一会の素晴らしさを実感した。

そうして昼食もとらずに、5時間ほどが経った。
帰りのバスの時間もあるし、海風が強くなり、とても寒くて身体も限界に近づいていたので、区切りをつけ絵を完成させた。

自分なりにはなかなかの出来。上手い下手は別として、描く時間がとても充実していたし、やり遂げた達成感でいっぱいだった。

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初の海外スケッチ


時刻は14:00ごろ。送迎バスは16:00ごろ出発する。その前に昼食を取りたいと思って、近くのレストランをまわってみたが、どこもランチタイムが終わってしまっていた。
しかし、お土産屋さんとスーパーが一緒になった大きめの施設「レ・ギャラリー・ド・モンサンミシェル」には軽食屋さんもあったので、そこで食べることにした。

まずはお土産屋さんを物色し、サブレや、リキュールなどを購入した後、軽食屋さんへ行った。ランチを過ぎたせいかほとんどメニューは残っていなかった。ハムチーズサンドとコーヒーを注文し、外のテラスでのんびりと食べた。

しかし、思った以上においしかった。ハムとチーズのシンプルなサンドイッチだが、ハムの塩加減、パンの固さ、チーズのコクが三位一体となって絶妙なハーモニーを生み出していた。余計な味付けがなく、素材本来の味がするという感じだった。コーヒーを飲み、時間まで本を読みながらゆっくりと過ごした。

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昼食のハムチーズサンドとコーヒー


パリまでの送迎バスが来た。ここからまた5時間程かけてパリへ戻る。
とても楽しくて、心地の良い場所だったので、帰りたくなかった。
バスが出発し、モンサンミシェルが小さくなっていくときは、もう2度と来ることはないかもしれないという思いがこみ上げ、なんだか泣きそうだった。

車窓を眺めながら、長い旅路の末パリに戻って来た。
パリは素晴らしい街だけど、のどかな風景から帰って来ると人が多くてやはり怖い。日本人の団体と行動を共にしてきた安心感から、また急にパリの街に一人で放り出されて緊張感が増した。

バスは、マリーアントワネットが処刑されたというコンコルド広場などを通り、オペラ座の近くで停車した。ゆっくりとする余裕はなく、オペラ座を横目にそそくさとタクシー乗り場を探した。幸いすぐにタクシー乗り場が見つかり、乗車することができた。この日の運転手さんはとても紳士的で、すごく優しかった。カード払いも親切に応じてくれて、ホテルへと戻った。

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オペラ座


初日に泊まったホテルにまた戻って来た。ここであと2泊する。
しかしここのホテルは、夜勤のお姉さんがすごく怖い。
初日に宿泊したが間をはさんだので、もう一度チェックインし直す。

私「こんばんわ。私の名前は佐藤です。チェックインお願いします。」
と言って予約表を提示した。
フロント「パスポート見せてよ!」
私「あ、はい。あと預けた荷物もお願いします。」
フロント「パスポートを先に見せて!」
私「ああ、すみません。。」
フロント「スーツケースの色は?」
私「青です。」
フロント「自分で見て来て!」
と言われ荷物置き場へ行った。

すると何種類かのスーツケースが置かれていたが、私のがない。。じわりと焦る。
あれ?ない?マジか!?やられた!とすごく焦る。

「私のやつないんですケド…」と言うとフロントのお姉さんともう一人の男性スタッフが固まる。そして、別の荷物置き場を探してくれて、ようやく私のスーツケースを持って来てくれた。

一安心すると、今度は「市税を払ってちょうだい」と言われたので、「分かりました。」と答える。

・・・しばらくの間・・・・ 

「Now!!(いや、今だよ!)」と怒られる。

そして「一人ですか?」と聞かれたので、「一人です。」と答えたら、「Yes or No?!(はいかいいえどっちなの?!)」と怒られた。

これは日本とフランスの文化の違いだろうが、日本語では相手の言ったことを繰り返すことで、Yesと同じ意味を表すことがある。
例えば「大丈夫?」と聞かれて「大丈夫!」と答えるように。

しかしフランスでは曖昧な言い方は好まれず、自分の主張をはっきりと言うことが大切らしい。曖昧な言い方が好きな日本人としては、「そこまで怒らなくてもいじゃない…。泣」という思いでいっぱいだったが、フランスではとにかくYesなのかNoなのかをはっきりと示さなければならないのだ。
そして日本のようにお客様は神様ではなく、客と店側は対等であり、お金と引き換えにサービスを受けるだけ、それ以上でも以下でもない、という関係がはっきりしている。

必要以上にサービスを求める日本もどうかとは思うが、さっきまで幸せいっぱいだったのに、すごく怒られてとてもしょんぼりしてしまった。

なんとか再びチェックインができ、部屋に入ると、なんだか寒気がし、熱っぽい。どうやら風邪をひいてしまったようだ。寒い中海風にさらされ続けたことと、度重なる緊張や疲れから体調を崩してしまったみたいだ。

そんな具合になってしまったので、夕食は持参したインスタントみそ汁。なんとも侘しい。しかし、寒い身体に日本のみそ汁は十分に私の心と身体を満たしてくれた。

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夕食のインスタントみそ汁


旅の中盤で身体が疲れてしまったが、今日はすごく楽しく素晴らしい1日だった。
明日に備え早めに休むことにした。

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人生最高の日。