一人旅の記録

一人旅の様子を記録します。

2019 一人旅 in フランス。 10


2019.5.2.Thu

フランス旅行3日目。


おなかが一杯になり、いざ島内散策へ。

モンサンミシェルの案内パンフレットによると、修道院までの道のりには、
・観光客で賑わう「王道コース」(30分)
・外壁を通る「Viewコース」(40分)
モンサンミシェルの住人の暮らしや歴史を辿る「Historyコース」(35分)
・知る人ぞ知る道のりの「大聖堂コース」(45分)
の4通りがあるとのこと。
そして、その4通りの他に、猫の抜け道と呼ばれる迂回ルートもあるという。まるで迷路のような造りだ。

私は人混みが苦手なので、人通りの少ない「Historyコース」を通ることにした。

お土産やさんなどが立ち並ぶ通りは、人でごった返していたが、「Historyコース」の脇道に入ると、人はまばらになり、そこはもう別世界。

ジブリやディズニーの世界に迷い込んだような、とても素敵な風景。
石造りの建造物は日本にはあまりないので、とても魅力的に感じた。

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おみやげ屋やレストランが並ぶ、島のメインストリート

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通称“猫の抜け道”と呼ばれるルートへ

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まるでジブリの世界観


たくさんの歴史的建造物。
空、風、空気。
すべてが異空間で、非日常だった。

西洋の風景への憧れがずっとあったので、
その世界に入ることができてとても楽しかった。

少しずつ上に上がって行く。
修道院が近づいてくる。

道の途中には、かつて島内に住んでいた住人の先祖の墓地があった。
そして、今日ランチを食べた「ラ・メール・プラール」のプラールさんもここに眠るという。この美しい景色を眺められるこの場所で眠れて、とても幸せそうだなと思った。

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美しい城にため息が出る

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かつての島の住人が眠る墓地


モンサンミシェルは8世紀の始めごろ、修道院として建設されたそうだ。
しかし、イギリスとの百年戦争時代には要塞だったり、フランス革命時には監獄だったりと色んな歴史を繰り返してきた場所だという。

現在は世界遺産に登録され観光地となったが、今も島内に住んでいる修道女がいるそうだ。どんな生活をしているのか、とても興味深い。

そして大階段を登ると、修道院に辿り着いた。
上からは、辺り一面の景色を見渡すことができ、とても美しかった。
潮が少しずつ満ち始めていた。

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修道院へ続く大階段

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塔の上から見た景色

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そびえたつ修道院

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修道院と印象的な空


そして、修道院の中へ。
高い吹き抜けに圧倒された。
中は、ひんやりと涼しくとても厳かな雰囲気だ。

着席し、しばしその空気を味わう。
何年もの歴史や時間が、私を包み込む。

遠く離れたこの場所に今いることが
とても不思議だった。

しかし、不思議なことに、かつてここに来たことがあるのではないか、そう思えるような懐かしさというか、また来れたというような気持ちになった。

私は心から、ここに訪れたいという気持ちがあった。
その魂の叫びを成就することができて、心がとても満たされた。

しばらく見学していると、祈りの時間が始まった。
修道女が鏡を出し、ろうそくを灯し、祈っていた。
撮影は禁止されていたので、私も眺めながら陰ながら平和への思いを馳せた。
記帳ノートがあったので、名前を記しておいた。

遠い場所で、こんな風に祈りを捧げている人がいるんだな、と思った。
世知辛いこの世界で、その行為はとても尊く映った。

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心が浄化されるような厳かな大聖堂


教会を出ると、「ラ・メルヴェイユ」という回廊に出た。
ここは修道士たちが休憩をしたり、瞑想などをする場だったそうだ。
芝生が美しい中庭が中央にあり、まるで天国のようだった。
瞑想をするには最高の場所だったろうと思う。

回廊の他には、食堂、騎士の部屋、貴賓室などもあった。
かつては実際に使われていたと思うと、不思議な気持ちになる。

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修道士の瞑想の場 “ラ・メルヴェイユ

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かつての修道士たちの食堂


回廊を出てみると、潮が満ち始めていた。ゴーッという音とともにすごいスピードで海ができていく。さっきまで干潟だったのに、海になっていく様子はとても不思議だった。

しかし城全体が海に沈むのは、年に数回の大潮の日だけ。
ディズニー映画「ラプンツェル」のような海に浮かぶ城の景色を見たいものである。
いつかまた大潮の日に来たいなと思った。

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潮がすごい勢いで満ちてきた

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創設者が眠るサントベール礼拝堂も海に囲まれる


また、行き道では気付かなかったサンピエール教会という教会もあった。
ステンドグラスが美しい礼拝堂で、たくさんのキャンドルに火が灯してあった。
キャンドルからキャンドルに火を灯して、祈りを捧げるというものだ。
私も1.5ユーロでキャンドルを買い、火を灯した。

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ステンドグラスが美しい “サンピエール教会”

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キャンドルに祈りを灯す


島内を一周しスタート地点へ戻ってくると、日没へ向かう太陽が、満潮の海へ沈もうとしていて、とても綺麗だった。
城、海、夕暮れ、、、この世の美しいものがすべて揃ったような瞬間だった。

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夕刻のモンサンミシェル


散策も終え海風が強く寒かったので、無料のシャトルバスに乗り、一度ホテルへ戻った。

そして、本日の宿へチェックインした。
インテリアはとてもポップな配色で明るく、とても可愛かった。
スタッフの人も優しくて安心した。

部屋もとても可愛くて、静かで落ち着いた。何より、バスルームが独立していたのが良かった。パリのホテルは仕切りがなく、水浸しにならないよう気を使ったが、ここなら安心してシャワーが浴びれるのが、とても嬉しかった。

ランチにお金を使いすぎてしまったので、夕飯は無し。笑
インスタントコーヒーのサービスもあったのもポイントが高かった。

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ポップでかわいいホテル。独立型シャワーが嬉しい


シャワーを浴びたり、1日を振り返ったりして少し休憩した後、夜のモンサンミシェルを見るために、散歩に出かけた。

外は、とにかく海風が強くて寒かった。
そして、時間は22時だというのにまるで夕方のような明るさ。
カルチャーショックだった。明るければあまり眠くならないものである。
フランスは活動時間が長くていいなあと思った。

夜のモンサンミシェルは、ライトアップされ、すごく幻想的だった。
これが見たかったんだよなーと胸がいっぱいで涙が出そうだった。

強風の中吸い寄せられるように歩いた。

ここに住みたいと思わせるほど、とにかく好きな場所だった。

しばらく眺めていると、本格的に寒くなりだして、
身体が悲鳴をあげ始めたので、ホテルへ戻った。 


長年の夢が叶った1日。

とても満たされた心で、夢心地のまま眠りについた。

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夢をありがとう

2019 一人旅 in フランス。9

2019.5.2.Thu
フランス旅行3日目。


念願だったモンサンミシェルに辿り着き、感動で満たされた。

そして、島内へ入った。
時間帯もあり、入り口は多くの日本人を含む観光客でにぎわっていた。

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いざ、島内へ


入ってすぐに見えたのは、モンサンミシェルの名物料理で、元祖オムレツ屋さんとして有名な“La Mere Poulard(ラ・メール・プラール)”。
「ラ・メール・プラール」は、この地で暮らしていたアネット・プラール(Annette Poulard)さんが、巡礼者のために栄養価の高い卵の大きなオムレツを作り、もてなしたというのが始まりだそう。
1888年オーベルジュを開き、700ものレシピを生み出したプラールさんは、優秀な料理人に与えられる「メール(Mere)」という称号を授けられ、それが「ラ・メール・プラール」という名前の由来だそうだ。

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赤い看板が目印の“ラ・メール・プラール”


私は今回の旅で、まだまともな食事をしていないなと思い、今日はちゃんとした食事をしよう!という目標を決めていた。

店の前には人だかりができていて、入ろうかどうか迷っていたが、店舗外の看板にQRコードがあり、それを読み込むとメニューを日本語で翻訳して見ることができた。「これなら注文できるかも」と思い、思い切って入ってみることにした。
パリのフレンチレストランに入る勇気はないが、ここなら観光客ばかりだし、日本人も多かったので、入りやすかった。

なかなかの混雑ぶりで、ウェイターもてんてこ舞の忙しさだった。
しかし、ここはオムレツを作る様子を外から見えるような造りになっていたので、列に並ぶ待ち時間の間オムレツを作る過程を見ることが出来た。

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フランス語が飛び交う素敵な厨房


カンコンカンコンとリズミカルに卵を混ぜる音が響く。
フランス人のシェフ達が楽しそうに話しながら仕事をしていた。
まるで「レミーのおいしいレストラン」を見ているようだった。
そして、混ぜた卵をフライパンにたっぷりといれ、炭火のかまどで焼かれた。半熟の卵を半分に折り返すと、とてもふっくらとしていた美味しそうなオムレツができあがっていた。「なんて素敵な時間だろう…」とその様子を眺めていた。

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炭火でじっくりと焼かれる


しばらく待つと、私の番がやってきた。
オーナーらしき給仕が英語で話しかけてくる。一人であることを伝えると、席を案内してくれた。給仕がイスをひいてくれて、席につく。
フレンチでは自分で勝手に席に着くのではなく、給仕の案内に従うものらしい。その文化に触れ、なんだかお姫様気分を味わえた。

メニューを見ても分からないので、スマホで翻訳されたメニューの中から選んだ。
しばらく待って給仕を探してキョロキョロしていると、少し離れた所にいた別の給仕と目が合った。その給仕はとても素敵な紳士だった。目が合うと、ニコッとして近づいてきてくれた。「やば~!かっこよ!」と思ってドキドキしながら、翻訳されたスマホの画面を見せながら注文をした。

注文したのは、“塩辛いバターと帆立を薪の火で調理したラ・メール・プラールオムレツ”。料理の内容を全て説明したネーミングである。

飲み物は高そうだったので水に。そして食後にカプチーノ、デザートに“カラメルりんごのカルトタタン”を注文した。ちゃんと注文が通り、さらに食後のデザートとカプチーノまで頼めて、すごく上級者っぽい注文ができたなあと思い、達成感と満足感でいっぱいになった。

待っている間、しばらく店内の様子を眺める。私の席は壁際で、壁には、今まで訪れたであろう著名人の写真が飾られていた。
パブロ・ピカソマリリン・モンロー、ココ・シャネル、各国の大統領などが、過去に訪れたらしい。そんな歴史的な場所に、今、私が、一人で…。すごいなあ〜と感慨にふける。

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壁にはたくさんの著名人のサインや写真が飾られていた


しばらくすると、ナイフやフォークが並べられ、お水とパンが配膳された。
おー、フレンチっぽいなあ〜。まさか、本場でナイフとフォークを使って料理を食べる日が来るとは思わなかった。

そして、メインのふわふわオムレツ、帆立と野菜をバターで炒めたつけ合わせが届いた。

まずボトルの水をコップに注ぎ、一人乾杯。
水は無料だったせいか、なんとなく生臭かった。

そして、メインのオムレツを食す。
味は、バターの焦げたような塩気のある味がほのかにして、ちょうど良い塩加減だった。食感は、空気をたっぷりと含んでいるため、泡のようにふわふわで、食べたらすぐになくなってしまう。

付け合わせの帆立の炒め物を食べる。こちらもバターの風味に帆立の塩加減と食感が相まって、絶妙な美味しさ。オムレツと共に食すと、尚一層美味しさが増す。
単体でも美味しいが、1+1が10にもなるような、組み合わせ。
これがハーモニーや!と感動する。

そして、パンも頂いた。さすがはフランスパン。固い。しかし、固いんだけど、よく噛んで食べると、小麦の味がしてきて、うまい。これは、おかずを引き立てる脇役である。ずっと食べていられる。

パン、オムレツ、付け合わせが、絶妙にマッチしていて、とても美味であった。
ふだん良いものを食べていないので、余計にそう思う。
そして、このロケーションが、おいしさを倍増させている。

こんな食事は2度とできないかも、、と思って、
とにかくゆっくりと、味わって食べた。

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メインのふわふわオムレツ

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バターで炒めた帆立と野菜の付け合わせ


もうおなか一杯になっていたが、私にはまだ食後のカフェとデザートがある。
ふふ、かっこいい。

食後の片付けをしてもらい、カフェとデザートが運ばれて来た。
クリームたっぷりのカプチーノと、カラメルりんごのカルトタタン。
カプチーノには、モンサンミシェル名物のバターサブレがついてきた。

りんごのカルトタタンは、カラメルに漬け込んだりんごがたっぷりと重なっていて、濃密な味わい。でも甘すぎず、りんごの食感も残っていて、とても美味しかった。甘くない生クリームが添えられていて、一緒に食べると逆に甘さが控えめになって、丁度良くなる。

口の中が甘くなった所を、クリームたっぷりのカプチーノで流し込む。
苦みと甘みが絶妙なハーモニーとなって、喜びをもたらしてくれる。

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カプチーノとカラメルりんごのカルトタタン


ゆっくり、じっくりと食事を堪能することができ、満足感で一杯になったので、お会計をすることに。

しかし、私は、値段も分からず注文するという、勇者だった。
まあ、自分の予算的には3000円ぐらいなもんでしょ、とタカをくくっていた。
しかし、あとで、調べてみると、どうやらここは超のつく高級店だったらしい。
旅行サイトの口コミなどをみると、「高い」、「ぼったくり」などの書き込みが…。

領収書をもらってびっくり、69.80ユーロ(8,842円)で、あーる。
「まじかい!ランチに8,800円!(汗)」
内訳は、
・オムレツセット…44ユーロ(5,243円)
・カラメルりんごのカルトタタン…18ユーロ(2,145円)
カプチーノ…7.8ユーロ(929円)
・税金 10%…6.35ユーロ(750円)
当時のレートでそのぐらいであった。

でも、仕方ない。有名店だし、ブランド料みたいなものだ。
一生に一度ぐらい贅沢したって罰は当たるまい。
満足感もあったし、後悔はしていない。

ただ予算の帳尻を合わせるため、夕飯は抜きましたけどね。笑

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後悔はないぞ




2019 一人旅 in フランス。8

2019.5.2.Thu
フランス旅行3日目。

今日は、今回の旅行の1番の目的である、世界遺産モンサンミシェル」への1泊ツアーへ行く。「モンサンミシェル」は、私がどうしても行ってみたかった場所だ。
私はTBSの「世界遺産」という番組が大好きで昔からよく見ていた。だから世界中の色々な世界遺産に行ってみたと前から思っていた。

今回は、そのモンサンミシェルへの1泊旅行がセットになったツアーを申し込んだ。そのツアーは日本の会社が運営しており、目的地まで団体バスで移動できるから安心だ。

7:20 「ギャラリーラファイエット(ショッピングセンター)」集合だったので、6:00ごろ起床し、6:30ごろホテルを出発した。
今日は地下鉄に乗って、集合場所へ行くことにした。

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パリのメトロ。薄暗くて怖い

今日は昨日とは違い平日。出勤するであろう人が地下鉄に乗っていた。しかし、パリの地下鉄は、電気が暗く、雰囲気も重く、なんだか怖い。

日本の電車だったら目にするであろうフレッシュな学生とかはいない。そもそも制服がないから、誰が高校生なのかとかが分からない。それどころか、フランス滞在中、スーツ姿の人もほとんど見かけなかった気がする。
そう、フランスでは制服というものをほとんど見かけなかった。むしろこれが世界的には標準で、中学・高校・社会人になるまで決められた服装をするという日本の文化の方がが珍しいのかもしれない。

スリに合わないようにリュックを前に抱え、最大限の警戒をして地下鉄を降りた。パリのエスカレーターは、東京とは逆で、歩く人が左、止まる人が右側だった。

集合場所に着くと、大型の黒いベンツのバスが6台泊まっていた。大型連休ということもあり、通常より利用者が多いようだ。係員も客も全員日本人でとても安堵した。今日ほど、日本語が通じることが嬉しかったことはない。

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集合場所の“ギャラリー・ラファイエット

 

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ベンツの大型バス


バスという安全な場所に乗り込むと、そこはもう日本だった。日本人だけの空間。ここがフランスということを忘れるような気がした。日本から観光バスでここまで来たような感覚だった。

そして、安心な旅が始まった。車窓をじっくりと見つめる。
セーヌ川沿いには、多くの船が停まっていた。これらは「ペニッシュ」と呼ばれる船で、もともと運搬用に使用されていた船を家に改装し、船上生活をしている人が多くいるそうだ。また住居として以外にも、レストランやバーに改装された船もたくさん停まっているらしい。
パリのアパルトマンの価格が高騰したこともあり、どんどんと人気が上がっていったそうだが、維持費や停船料、固定資産税、住民税、保険料も家と同様にかかるらしく、現在は簡単にペニッシュが手に入れられるわけではないようだ。

使用しなくなったものの再利用の仕方とか、とても賢いなあと思った。
文化の違いはおもしろく、とても興味深い。

パリの街並が続いてトンネルを超えるとすぐに、自然豊かな景色が広がって行った。パリは狭い街なので、10kmも走ればすぐに森になるとのことだ。そのはっきりとした境目には驚いた。

どこまでも続く広い畑の風景が広がった。日本の特に山国に住んでいる私は、地平線や水平線を見慣れていない。遥か遠くまで見える景色がとても美しかった。


畑の中には菜の花畑があり、一面がまっ黄色に。とても綺麗で感動した。

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一面の菜の花畑


また、牛やヤギや羊が放し飼いで飼われている風景を目にした。とてものどかだった。日本では放牧は見たことがない。牛舎や豚舎に飼われる家畜がほとんどだろう。放牧される家畜は、のびのびしていて、とても幸せそうに見えた。
同じ食べられる運命だとしても、私がヤギだったら、フランスで飼われたい、そう思った。

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家畜は放牧されている


1時間半ほど走ったあたりで、ノルマンディの小さな村でトイレ休憩となった。この村は、とてもかわいくまさにおとぎ話の世界。花壇にはきれいな花が咲いていたり、教会もあった。

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まるでおとぎ話の世界


私は朝食を食べていなかったので、一件のパン屋さんで「パン・オ・ショコラ(Pain au chocolat)」を買った。日本でもメジャーなパンだが、フランスが本場。とても美味しかった。


そこからモンサンミシェルまで2時間半ほどかかる。道中の景色が美しくてずっと眺めていた。雲がの位置が低く、絵画のようだった。

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絵画のような雲


永遠と高速道路を走ると、モンサンミシェルが視界に入る距離に近づいたとガイドさんがアナウンスしてくれた。私も右手に目をやると、遠くの方にモンサンミシェルが!ざわつく車内。そのときの感動は忘れられない。

「どれほど、日本から遠いのか。よくここまで来たな、私は。今日本は何時だろう?」そんなことを考えていた。今まさに現実に、憧れていた場所に来たんだ!という感慨深い思いに包まれた。
海外旅行が当たり前の現代じゃ、大げさかもしれないけれど、私はその大きな喜びと感動を声を大にして言いたい。私にとっては、人生でベスト3に入る感動だった。

どんどんとモンサンミシェルが近づき、ついにバスの降車地点の駐車場に到着した。

パリとは違いとてものどかな雰囲気で、私には合っていた。田舎者の私は、パリよりも郊外のフランスの雰囲気の方が好きだ。パリは混沌としていて落ち着かなかった。

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カラフルな牛がお出迎え


今日泊まる宿が駐車場の目の前にあったので、早速荷物を預けることにした。

フロントのお姉さんが笑顔で出迎えてくれた。
宿泊のバウチャーを見せ、荷物を預かってもらえますか?と訪ねると快く了承してくれた。フロントの周りには、宿泊客のスーツケースなどの荷物が雑多に置かれていた。
「え~と…ここでいいのかな?」と迷っていると、「うん、荷物はご覧の通りよ(笑)」とアバウトに置かれた荷物を指し、失笑していた。「適当に置いといて大丈夫よ。」と言われたので、そこに荷物をおいてモンサンミシェル観光へ出発した。

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本日の宿。“Hotel Gabriel(ホテル・ガブリエル)”

ホテルのある対岸からモンサンミシェルまで、徒歩で10分ぐらい。無料シャトルバスも通っていたが、せっかくなので歩いていくことにした。


少し歩くと、モンサンミシェルが見える橋があった。
遠くから見ても圧倒的存在感のモンサンミシェル

まるでラピュタに辿り着いたような気持ちだった。

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夢のような時間


また歩き出すと、今度は反対側から馬車がやってきた。「なんということでしょう!!」映画でしか見たことのない馬車がカッポカッポと音をたててやってきた。
とても風情があり、感動した。

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初めて見た馬車


海沿いということもあり、風が強く冷たかった。
たくさんの観光客が訪れて、色んな言語が飛び交っていた。
私は美しい空とお城の景色を眺めながら、ゆっくりと夢のような散歩を楽しんだ。

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遠くからの眺めも最高


次第にモンサンミシェルが近づいてきて、いよいよ目の前に着いた。
おお!これが夢にまでみたモンサンミシェルか~、と感動する。

ずっと夢を見ているような、そんな気持ちだった。 

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ついにモンサンミシェルが目の前に

2019 一人旅 in フランス。7

 

2019.5.1 Wed
フランス旅行2日目。

 

凱旋門に行きたかったのだが、間違って逆方向のバスに乗ってしまった私。
着いた先がどこだかイマイチ分からない。若干の焦り。

そこからは、あまり良く覚えていないのだが、スマホを頼りに地下鉄に乗ったりしながら、ようやくまた凱旋門方向へ向かうバスを発見し乗車した。他の外国人観光客もいたから、間違いないと思い安心していた。

そして、乗車後、凱旋門が遠くに見えてきた。
いよいよだぞ~と思っていたら、今度はスルー。

「あれ?なんぜ?」なぜか私を凱旋門に連れて行ってくれない。また間違えたのかな~と思っていたら、終点に着いた。
「あれ~、ここどこだよ!」と思ってバスを降りると、なんということでしょう!
目の前にエッフェル塔がお出ましした!!

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急に現れたエッフェル塔


後で分かったことだが、この日はメーデーだったので、テロ特別警戒をしており、凱旋門の周辺は封鎖されていたらしい。だから路線バスなどは近づくことができなかったのだ。
そんなことは全く知らない私は?マークでいっぱいだったが、エッフェル塔を見た途端、否応無しにテンションが上がるのであった。

これがエッフェル塔か~と感動し、写真を撮りつつ、エッフェル塔のふもとへ近づいて行った。するとセーヌ川があり、再び感動。セーヌ川エッフェル塔の景色が、目の前に。日本とはまったく別世界に来て、まるで夢を見ているようだった。こんなおとぎ話みたいな世界があるのかと思った。

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セーヌ川越しに見たエッフェル塔


セーヌ川の橋を渡る。橋の上では、怪しい外国人が、エッフェル塔の置物やお土産を道端で売っていた。「こういうの、どこにでもあるんだな~、誰が買うねん。」と思っていたが、結果的に私はこの怪しい外国人から、怪しいモバイルバッテリーを買ってしまった。なぜなら、スマホの充電が20%を切ってしまっていたから…。

これから観光だというのに、これじゃあ記録に残せないやないかと思い、モバイルバッテリーを売っていた男性の店へ。「How much?」と指差す。「10ユーロだよ」と教えてくれ、購入した。陽気な男性でとても優しかった。自撮棒も薦められたが、断った。
どっかから拾ってきたようなバッテリーだったが、充電はできた。

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セーヌ川


そしてセーヌ川のふもとに降りると、セーヌ川クルーズができる観光船の乗り場があった。これはぜひ乗ってみたいと思い、乗ることに決めた。チケットを買い、搭乗する。セーヌ川から、さまざまな観光名所を拝見できるということでとてもワクワクした。

ゆったりと船がスタートする。フランス語のアナウンスが雰囲気を醸し出す。
まず驚いたのは、セーヌ川のふもとにたくさんの人たちがくつろいでいたこと。祝日だったせいもあり、恋人、友人、家族など色んな人々が、ただゆっくりと日光浴を楽しんでいて、とてもゆったりとした時間を過ごしていたのが印象的だった。こういう場所があっていいなあと思った。

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セーヌ川沿いでくつろぐ人々


ルーブル美術館オルセー美術館、火災に合ったノートルダム大聖堂など、名所をセーヌ川から見ることができた。街中が石造りで、まるで大きなテーマパークのようだった。
強い日差し、川の流れ、美しい建物、全てが新鮮で、忘れられない思い出になった。

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焼け跡が残るノートルダム大聖堂


セーヌ川クルーズを堪能し、昼食をとることに。セーヌ川のふもとには、バーや飲食店が色々と並んでいた。その中で、私はツナサンドを注文した。思ったより大きく、パンが固かった。フランスパンとはこういうものなのかもしれないが…。ツナがパサパサしていて、あまり美味しいとは思えなかった。

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セーヌ川で食べたツナサンド


そして、トイレに行きたくなったので、トイレを探すと、セーヌ川クルーズ乗り場にトイレがあった。しかし、列になっている。そして、0.5ユーロの表示。ここも有料か…と思ったが、どうやらフランスではこれが当たり前らしい。日本のトイレの有り難さをつくづく感じるのであった。

列に並び、順番が近づくとトイレの前に門番みたいな人が立っていた。この人にお金を渡すんだなと思い、1ユーロ硬貨を渡した。すると男性が何か言っている。
「あれ?間違ってる?釣り銭がないってこと?」と訳が分からず混乱する。
「1ユーロ=100セントだから、その半分で50セントかな?」と思い、今度は50セント渡してみた。すると今度は「はあ~」とため息をつかれてしまった。。。
「ええ~?何?何?何がだめなの?」と思ったが、結局何がだめだったのが分からなかった。謎である。

とりあえずトイレには通してくれたが、まあこれが汚い!紙なんてないのが当たり前。そして臭い。これがフランスのトイレの標準っぽい。いかに日本のトイレが清潔で最先端で素晴らしいかを実感した。しかもそれが至る所にあり、無料で使えるということの有り難みを初めて感じた。これは、日本に住んでいるときは一度も思わなかったことだ。トイレ事情が、今回1番のカルチャーショックだったかもしれない。

セーヌ川観光の後は、凱旋門へ歩いて行くことにした。
プラプラとパリの街並を見ながら散策する。ランニングしてる人や電動キックボードに乗って移動している人がたくさん居た。

そして、子どもを抱いて路上生活をする親子が、こちらを見て物乞いをしてきたり、所々でアンモニア臭がしたりとパリは綺麗な所ばかりじゃなかった。

そして徒歩で20分ほど歩くと、凱旋門が見えて来た。
近づく際に荷物検査をされ、ようやく今日が特別警戒中だということを知った。バスが凱旋門に到着しなかったことに合点がいった。
そんな日なので、凱旋門の中への見学も叶わなかった。
しかしようやく凱旋門シャンゼリゼ通りを見ることができた。

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ようやく辿り着いた凱旋門

 

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シャンゼリゼ大通り


夕方になったので凱旋門近くのお土産やさんでチョコレートなどを買った。疲れたので、バスでホテルへ戻ることにした。

ホテルにチェックインをし、ようやく自分だけのホッとする空間に辿りついた。
ホテルはとてもキレイだったが、建物は古かったので、通路やエレベーターは重い雰囲気があり少し怖かった。

部屋は清潔感があり、キレイだった。キッチンや電子レンジ、食器類もついていたので、自炊したい人にとってはとても良い。

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ホテルはとてもキレイ。キッチン付き


今日はくたびれたので、もう部屋の外には出たくなかった。
夕食は持参したチンするごはん、インスタントみそ汁で済ませた。
これがどんなに私の心を癒したことでしょう。

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持参したおこわとみそ汁


そしてシャワーをしてみる。水圧が低い。さらにシャワーブースと洗面所にしきりはなく、どうやっても水びたしになる設計。フランス人はどうやってシャワーを浴びるのだろうと疑問に思った。

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設計に問題はないのか?


フランスのTVも見てみた。ニュース番組が多く、バラエティ番組は少ない印象だった。

時刻は18:00過ぎ。夜は怖いから早めに帰ったのだが、20:00になっても周りは明るい。これも驚いたことだが、フランスのこの日の日没は21:00。
22:00頃まで夕方のような明るさだった。そんな情報をチェックしていなかったため、とても驚いた。

色々あった1日目が終わった。
到着して、そのまま観光だったのと、コンタクトが乾きまくっていたので、コンディションは最悪だった。防寒対策が甘かったという反省点はあったが、なんとかトラブルも対処し、目当ての場所も見れて、とても貴重な体験をすることができた1日だった。

日本を出てから、日本語を話していない。外国に来ることによって、私は初めて外国人となった。何をするにも脳内で言葉を変換しないといけないというのは、大変なエネルギーを要するということが分かった。

 

明日は今回の1番の目的、モンサンミシェルへ行く。
明日に備えて早めに眠りについた。

2019 一人旅 in フランス。6

 

2019.5.1 Wed
フランス旅行2日目。

 

ホテルに荷物を預け、いざ観光へ行こうと思ったが、まず感じたのは「寒い!!」ということ。薄着だったせいもあり、5月だというのに、まるで日本の2月頃の気温に感じた。気候はさほど変わらないと思っていたが、大間違いだった。

とにかくこのままじゃ寒くて観光を楽しめないと思い、まず服が売っていないか探してみようと、徒歩で街をウロウロしてみた。
しかし5/1はメーデーで、国民の休日らしい。街は閑散としていて、店はどこも閉まっていた。

そんな中歩いていると露店がたくさん並んでいる通りに出た。洋服なども売っている様子。よっしゃーと思い、いくつか店を見ていると、タイツや靴下が大量にワゴンに積まれている店を発見。私はワンピーススタイルだったので、足下が寒く、足下を温めたいと思っていた。タイツならかさばらないし、デザイン的にも今の格好と合わせても問題ないと思い、買うことに決めた。

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フルーツの露店を発見


タイツを物色していると、男性の店主がフランス語で私に声をかけて来た。「1つで3.5ユーロ、2つで5ユーロだよ」というような内容だったと推測する。だいたい内容は分かったので、「One Please」と言って、10ユーロ札を渡した。

すると店主は困った様子で、隣の店の女性に話しかけている。
どうやら釣り銭がないらしい。日本じゃ考えられないことだが、どの店も釣り銭がない様子。フランスはカード社会で、あまり現金を持ち歩かないらしいが、釣り銭も用意していないとは思わなかった。
小銭は持っていなかったが、カードなら持っていたので、「Visa card OK?」と聞いてみた。すると、店主が「あ~ビザね!OK!」というような返事をくれた気がした。すると店主は、じゃあ、こっちへ来てと合図を出し、私を連れて、近くのスーパーマーケットへ向かった。

「ん?どこへ行くんだろう?」と思っていると、スーパーの店内にあるピザ屋に着いた……。
どうやら、VisaがPizzaに聞こえたらしい。(笑)まあ、私の発音が悪いせいだから仕方がない。そして、そのピザ屋に聞いても、釣り銭をもらえなかった。何件か聞いて回ると、ようやく釣り銭を両替してくれるパン屋さんが見つかり、一件落着した。

「Merci!(ありがとう)」と店主に言うと、しばらく店主が話しかけてくる。「HongKong?(香港人?)」「Japanese!(日本人です)」「Japonais?!(日本人?)」とやや驚いた様子。
他にもフランス語で、何やら話しかけられたが、よく分からないので、「Non Merci(結構です)」と言ってその場を去った。彼が何を言っていたのか、とても気になる。

防寒着をゲットできたので、着替えようと思いトイレを探す。
さっきウロウロしていたときに、マクドナルドを発見していたので入ってみた。

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パリ・クリシーのマック


トイレの案内表示があった地下へ降りてみた。しかし、びっくりしたことに、トイレには鍵がかかっていて、有料だった。「マジか?!」この後、何度もフランスのトイレ事情には驚かされることになる。
ただタイツをはきたいだけなのに、お金を払うのも勿体ないと思い、誰も来ないことを確認して、ささっとタイツをはいた。

そして、今日のスケジュール確認と、暖を取るため、マックで朝食をとることにした。馴染みのあるマックといえど、ここはパリ。なんだか緊張する。
まず驚いたのが、注文がタッチパネル式だったこと。タッチパネルが3つほど設置してあり、そこで注文と会計を済ませてから、受け取り口に行くシステムだった。タッチパネルには日本語表記もできるようになっていた。

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注文はタッチパネルにて行う


メニューも日本とは違った。私は、エッグマフィンとプチパンケーキ、オレンジジュースとエスプレッソのセットを注文した。ミニクッキーも付いていて、なんだかオシャレな感じだった。

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日本とは違ったメニュー


2F席に座り、食した。一人旅で1番心配だったのは食事。どんな店に入れば良いか分からないので、安心感のあるチェーン店でも全然気にしない。とりあえず食事にありつけて良かった。味は安定のマックの味。美味しかった。

内装は日本とは趣が違い、落ち着いた雰囲気。まわりには少しのお客さんが話をしていた。聞こえてくるのはフランス語。
「ああ、本当に私は一人で外国に来たんだな~。」と改めて実感した。

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シックな内装のマック


さて、本日のスケジュールをどうしようか。とりあえす、初日はパリの観光名所を周りたいと考えていたので、凱旋門エッフェル塔セーヌ川は絶対に行こうと決めた。

行き方は、地下鉄かバスの2通りあったが、地下鉄は治安が心配だったので、バスで行くことにした。パリ市内のバスと地下鉄を共通して使える切符があること、そして、その切符が10枚綴りになった「Carnet(カルネ)」というものがあることも知った。
その切符は、メトロの切符売り場で買えるということが分かり、早速近くのメトロの乗り場を探しに行ってみた。

iPhoneのMapを便りに、地下鉄を発見。自動発券機にて無事カルネをゲット。しかし、後々分かるのだが、多分私は間違って子供用のチケットを買ってしまった。これが見つかると罰金を取られるらしいが、運良く?誰にも何も言われなかった。悪気はなかったんです、ごめんなさい。

切符をゲットしたので、バス停を探す。すると、フランス人が絵に描いたようにフランスパンを持って歩いている。本当にフランスパンを食べるんだな~とイメージ通りの様子にほくそ笑む。

バス停があり、目的地が凱旋門になっていたので、ただ乗っていればいいだけだな、と思いバスに乗る。フランスのバスは降りるタイミングが分からない。日本みたいに「次は◯◯〜」とアナウンスがあるわけでもなく、電光掲示板に次の降り場が表示されるだけ。まあ、終点で降りればいいや、とバスの車窓を楽しみながら、乗っていた。

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赤い場所が現在地。左側に凱旋門が表示されていた。

すると、終点らしき場所に到着し、バスを降ろされた。
「アレ?ココドコ凱旋門ジャナクナイ?」と焦る。乗る方向間違えたのか?と思い、運転手に「Where is Etoile?(凱旋門はどこ?)」と訪ねると、運転手は一生懸命何かを伝えてくれている。でも分からない。一緒に乗っていたマダムに失笑される。おそらく「ここは凱旋門じゃないよ」と言っていたのだろう。

運転手に懇願するような顔で、「Where is here?(ここはどこ~?)」と訪ねる。運転手の男性は親切にバス定の案内表示を指差し、「ここは、Port de Clignancourt(ポルト ド クリニャンクール)だよ。」と教えてくれた。

「うん。迷った。」と私は思った。

今冷静になって、写真に撮った路線マップを見ると、黒矢印がついている。
多分だけれど、私は逆方向のバスに乗ってしまったらしい…。

2019 一人旅 in フランス。5

2019.5.1 Wed
フランス旅行2日目。


ハノイ〜パリ
23:15 ハノイ発 パリ・シャルルドゴール空港行きの便に搭乗する。
東京〜ハノイまでは、日本人観光客が多かったので安心だったが
パリ行きの便を待つ人たちの多くが、フランス人と思われる人たちに変わり急に不安になる。
「やばいよ、やばいよ。」と心の中で叫ぶ。
フランス語はおろか英語もろくに話せないのに、一人で行くという無謀な旅。
現地に着いたら、まずはタクシーでホテルへ行こう、などと頭の中でシュミレーションをする。

そして、2回目のフライト。座席は窓側を選んでみた。が、これが大失敗だったと思い知らされる。私は、電車でもバスでもとにかく窓側派で、景色を見ながらじゃないと楽しめない。ハノイまでは通路側だったので、窓側を選んでみた。
3列シートの1番右側で、お隣は紳士的な細身のフランス人男性(多分)。その隣はその男性の母親?か奥さんの大柄な女性だった。人当たりは良さそうだったので安心した。

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ハノイ〜パリまでの座席


しかし一つ問題が。リクライニングを倒そうと思ったら、これがどうやっても倒れない。力の加減なのか故障なのか分からないが、倒れない。あまりジタバタするのも良くないと思い、あきらめた。これから12時間ほぼ垂直で過ごさなければならないという地獄。
そして、映画を観ようと思ったら、ヘッドセットが片方壊れていて、片耳からしか音が聞こえず、あまり何を言っているか分からない。「万引き家族」を観たが、ほとんどセリフがはっきり聞こえず、勘で想像しながら観た。
そして、座席の位置。3列シートの窓側は、やはりトイレに行くのが億劫になる。狭い通路をちょっとすいませんと言って通り抜けるのが面倒になる。だからとりあえずもうちょっと我慢しようの連続で、パリまで一度もトイレに行かず過ごしてしまった。
「リクライニングが倒れない・ヘッドセットが壊れている・トイレに行きづらい」という3重苦。もはや地獄。CAさんに文句を言おうにも遠いし、日本人ではないし、もう大人しくすることに決めた。

機内食は2回出て来た。時間帯は夜中だが、機内食が出て来たらやはり食べたいので、何食を食べているのかよく分からなかったが、食べた。食事の内容も変わり、今度は洋食かベトナム料理がメインとなった。オムレツとソーセージ、ヨーグルトなどが出て来て、食器も割り箸から、プラスチック製のナイフとフォークに変わった。
そこで驚いたのは、こんな機内食の料理にも、隣のフランス人男性はナイフとフォークを使用して食べていたこと。私は、フォークのみで食事していたが、マナーの低い人間だと思われているのではないかと思い、少し恥ずかしくなった。

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洋食に変わった機内食

 

機内食を済ませ、良く眠れないが寝た。
とても苦痛な時間だったが、窓から見た夜明けの地平線の景色は忘れられない。
どこまでも続くユーラシア大陸の地平線と、オレンジと青のグラデーションが、まるで宇宙にいるようで、とても印象的だった。

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美しいグラデーションの地平線


7:00 パリ到着
そんなこんなで12時間が過ぎ、ようやくパリへ到着した。
感動するかと思いきや、私は12時間トイレを我慢していたため、到着した時の気持ちは「とにかくトイレ行きたい!!!」だった。勿体ないことをした。
着いた時刻は、現地時間でam 7:00。朝もやがかかっていた。

飛行機を降り、とにかくまずトイレへ向かった。
そしてトイレへ入るのだが、まあなんというハイカラなトイレでしょう!ドアの色はピンクと赤を使用していて、とてもキュートな色使い。日本の公共トイレではまず有り得ない配色。そして、手洗い場は中央に向かって勾配がついており、そこに自然と水が流れて行くシステム。「おー見たことないぞ!さすがフランス!デザインに洗練さを感じるぜ!」と異国の雰囲気を感じ感動した。


そして、スッキリしたところで、やっと落ちついてシャルルドゴール空港の雰囲気を味わう。至る所に、アートポスターが飾られていて、ステキだな〜と思った。

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パリ・シャルルドゴール空港へ無事到着


そして、入国審査などを済ませ、荷物を受け取ろうと外に出ると、たくさんの送迎の外国人がこちらを見ている。多種多様な人種の人に見られると異様な圧を感じて、怖かった。私は迎えがいないので、そこをスルーし荷物を受け取り一段落。

さて、どうしようか。とりあえずこの荷物を預けるためにホテルへ行かないといけない。しかし送迎サービスは頼んでいない。電車やバスは怖い。ということで、タクシーを使用することにした。行き先の住所をメモに写す。フランスのタクシー会社は公式なものしかないというので安心だ。
タクシー乗り場へ向かうと、制服を着た女性が「Bonjour Madame!(ボンジュール マダム!)」といって出迎えてくれた。「マダム?この私が?!」と、その響きの優雅さに嬉しくなった。

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タクシー乗り場へ。女性スタッフが案内してくれた。


日本では「マダム」のような女性の呼び方はない。若い女性は「お姉さん」なのに、年齢を重ねた途端、「おばさん」という呼び名に変わる。そして、この呼び方には尊敬の念が感じられない。むしろ蔑称のように感じる。もっと良い呼び方が生まれてほしいものだ。などと考えるまでに至った。

そしてタクシーの運転手さんに行き先の書いたメモを渡した。ガタイのいい男性で愛想もなく少し怖かった。言葉は通じないので、無言で過ごす。ラジオの音声だけが鳴り響く。それでも、窓からパリの町並みが見えて来て、興奮する。「おお〜!パリや〜!ここは外国や〜!すごい!私、一人でここまで来たんだ!!」と嬉しくなった。

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タクシーから見たパリの車窓


そして、今日の宿に無事に到着した。支払いはカードで済ませた。

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今日の宿。“Adagio Access Paris Clichy”


まずは、荷物を預ける。ホテルへ入ると、フロントのお姉さんが笑顔で接してくれた。
宿泊のバウチャーを見せ、カタコトの英語で「Can I keep my baggage until check in?(チェックインまで、荷物を預かってもらえますか?)」と言うと、快く荷物を預かってくれた。引換券を受け取り、身軽になった私は、いざパリ観光へ。

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ホテル近くの街並。パリっぽい景色に感動。


しかし失敗だと思ったのは、到着時間。現地の朝7:00に着いたため、ホテルへチェックインが出来ない。昨日、自宅を出発してからここへ着くまで横になって寝ていないから疲れている。ぶっ通しで観光するのは、ややしんどかった。次回以降は、到着日にそのままホテルへ入れるような時間帯にしようと思った。

part.6へつづく。

2019 一人旅 in フランス。4

 

 2019.4.30 Tue
フランス旅行1日目。

 

自宅から羽田空港

いよいよ今日この日がやって来た。
まずは、自宅から羽田空港へ向かう。
今回初めて、タクシー会社の「空港送迎」という画期的なサービスを利用することにした。
値段は片道12,200円と高速バスに比べればお高めだが、

・自宅から空港まで、ドアtoドアで行ける。
・荷物を運ぶ手間が無い。
・乗ってる間、睡眠も取れるし、調べものもできて時間を有効利用できる。
・バスとバスなどの乗り換え等の待ち時間もなく、再短時間で行けてストレスレス!!

などと、メリットがたくさんあるので利用することにした。長旅になるので、できるだけストレスを最小限に抑えたいと思ったからだ。

 

8:30 自宅にお迎えが到着

荷物を預けて、さあ後は到着するるのを待つだけ。なんと楽チン!セレブ気分を満喫。ブランケットや傘を貸してくれたり、運転手さんの接客も丁寧で、最高のスタート。
この日は雨が降っていたので、荷物の運搬のことを考えると、このサービスを頼んで良かったと思った。

 

13:00 羽田空港へ到着

2時間ほど走るとタクシーは羽田空港へ到着。以前1人旅で、奄美大島へ行ったことはあったが、 国際線は初めて。ドキドキが一気に増す。
腹ごしらえとして、お茶漬けを食べた。

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羽田空港へ到着。


16:35 出国

私が乗るのは、16:35発のベトナム航空 VN385便。ベトナム航空のカウンターで搭乗手続きを済ませ、搭乗ゲートへ向かった。

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人気のない搭乗ゲートへ。


待ち時間の間、夫に電話をした。
しばらく電話ができなくなると思うと、少し寂かった。

ああ、ついに、日本から出るのか、私は。
長かったなあ…と感慨にふける。

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いよいよ出発が近づく


アオザイを着たCAさんが現れ、いよいよ搭乗の時間。
「もう後戻りはできない!」と覚悟を決め乗り込んだ。
席を見つけて、着席。う〜ん狭い。エコノミーなのでしょうがない。
隣は日本人の女性で安心した。

さあ、出発だ。色んな思いが混み上げる。
私にとっては、大きな一歩。

さよなら日本、さよなら平成。。。

機体が宙に浮く。

やはり、飛行機は怖い。こんなものが空を飛ぶなんて信じられない。

 

と思っていると、すぐウエルカムドリンクの提供が始まった。
私はカンパリを注文。思ったより見た目が可愛くて、テンションが上がる。

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カンパリとナッツ


ナッツとともに味わっていたら、とても気分が良くなり、恐怖心は消えていた。
カンパリを飲みながら、映画でも見ようじゃないかと、「最高の人生の見つけ方」を鑑賞。今まさに私が、人生の最高の瞬間なんじゃないかと思えた。

 

機内食 

フライトから1時間後ぐらいに、機内食がやってきた。
これが機内食か〜!と興奮。洋食と和食があり、私は和食をチョイス。
メニューは、ごはんと、牛肉とお芋の煮物、肉団子とかまぼこ、パン、カットフルーツとドリンク。

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初めての機内食


機内食を初めて食べたが、こんなに美味しいの?というくらい普通に美味しかった。ごはんとパンの組み合わせというのは普段はあまりないけど、完食できるぐらいボリュームも丁度良かった。
全体的に水分のバランスがよく、しっとりとしていて、食べやすかった。
そして、食後のコーヒーまでついてくるとは。
エコノミーでも大満足な機内食だった。

 

20:20 ベトナム到着

もう一本映画を見て、5時間ほどのフライト終え、現地の20:20頃、経由地のベトナムハノイの「ノイバイ国際空港」へ到着した。

初めて日本の外の地を踏む瞬間は、人生で一度きり。この瞬間は忘れられない。
「おおー!外国だ〜!ベトナムだ〜!ここはどこ〜?」と心の中で叫ぶ。
しかし一人きりなので、感情は表に出さず、心の中で噛みしめるのであった。

ハノイは蒸し暑く、南国の気分を味わえた。

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ベトナムに到着。


乗り換えがうまくできるのかという緊張と不安があったが、ノイバイ国際空港は、複雑な作りではなかったので、「Transfer」の案内に従って進むとスムーズに乗り換えをすることができた。 

空港の制服が、カーキ色のいかにもベトナムという服装で、異国情緒を味わえた。
しかし、空港内で働く職員は暇な時間なのか、普通にスマホの動画を見て、笑っていたりと、日本では考えられないようなゆるい勤務態度も見請けられ、日本人の真面目さを思い知る。
そして、係員に搭乗券とパスポートを見せ、エスカレータで上の階に上がるのだが、この係員のなんとも無表情なこと。何千回と同じことを繰り返していたら、そうなってしまうのだろうか。

荷物チェックをすませ、シャルルドゴール空港行きのゲートへ向かう。
3時間ほど空き時間があったので、空港で過ごすことにした。

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閑散としたノイバイ国際空港


20:45 夕食フォー!

お腹が空いたので、「フォーを食べてみよう!」と、初海外食事に挑戦。
時間帯が遅かったのか、人はあまりいない。
だが店舗はまだ空いていたので、良さげなお店を見つけて、注文することに。
もちろんベトナム語は分からないので、カタコトの英語でチャレンジする。
メニューはあるがどれが何やら分からないので、ディスプレーにあったフォーを指差し、「This Please!」と言って注文してみた。店員さんは笑顔でオーダーを受けてくれ、なんとか注文が通りホッとした。
初の海外コミュニケーションができ、嬉しかった。
値段は日本円で1200円ぐらい。支払いもカードで問題なくクリアできた。

しばらく待っていると、フォーが到着。
なんということでしょう。ボリューム感があり、とても美味しそう!さっそく頂きます!

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初めての海外食事はフォーでした。


う〜ん、やさいしダシの味と、たくさん入った肉団子がマッチして、旨味文化のある日本人には、とても大好きな味。そして、フォーがライトなので、夜でもさらっと食べれました。

そして、もやしや葉っぱみたいな薬味がついていたので、ネギ的な感じかと思って、迷わず全てを投入してみた。

するとこれが、とんでもなく辛ぇ〜!!!
火を吹きそうな辛さ。こりゃあ食べれんと思って、全て取り出しました。(笑)
しかし、薬味を取り出した後は、全てを完食。
美味しかった!ごちそうさまでした!

私が入店したときは、一人きりだったのに、いつの間にか周りにはお客さんだらけ。
やっぱり、人が人を呼ぶんだなぁ〜と思った。

そうしてお腹も満たされ、歯磨きをし、パリ行きの時間まで待つ。
横になって寝れないのが、なかなかの苦痛だ。

しかも、あろうことか私は、メイク落としとコンタクトケースを、メインのスーツケースに入れてしまうという大失態。
ハノイ〜パリまで、12時間も搭乗しなきゃならないのに、メイクを落とせないし、コンタクトも入れっぱなしなんて…。パリパリになってまう〜と思いつつも後の祭り。
もう受け入れるしかない。メイク落としシート的なものも探したが見当たらず。
このミスは、次の日へのダメージになったが、良い教訓になった。。。

 

23:15 ハノイ〜パリへ出発

出発は現地時間で23:15。もうすぐ、初日が終わる。
移動に費やした1日だが、様々な初体験があり、とても楽しかった。

特に飛行機での一連の流れに私は感動した。
まず搭乗してすぐのドリンクサービスは、テンションが上がり、フライトへの不安感から目を反らさせる。そして映画鑑賞などのエンターテイメント設備を楽しんだ後、丁度良い頃合いに機内食が配られる。選ぶ楽しさや食事のおいしさを満喫すると、照明が落とされ、自然と眠りにつけるという完璧な流れに感動した。
そして、乗客の流れは全て計算されコントロールされているんだろうと思った。
それが嫌なのではなく、長時間のフライトを安心して楽しんでもらおうという航空会社の工夫に感心した。

自宅〜空港へのタクシー送迎もそうだけど、
GW中も働いて下さっているみなさんのおかげで私は、移動することができました。
ありがとうございました。感謝です。