一人旅の記録

一人旅の様子を記録します。

2019 一人旅 in フランス。9

2019.5.2.Thu
フランス旅行3日目。


念願だったモンサンミシェルに辿り着き、感動で満たされた。

そして、島内へ入った。
時間帯もあり、入り口は多くの日本人を含む観光客でにぎわっていた。

f:id:sa_tourism:20190916193220j:plain

いざ、島内へ


入ってすぐに見えたのは、モンサンミシェルの名物料理で、元祖オムレツ屋さんとして有名な“La Mere Poulard(ラ・メール・プラール)”。
「ラ・メール・プラール」は、この地で暮らしていたアネット・プラール(Annette Poulard)さんが、巡礼者のために栄養価の高い卵の大きなオムレツを作り、もてなしたというのが始まりだそう。
1888年オーベルジュを開き、700ものレシピを生み出したプラールさんは、優秀な料理人に与えられる「メール(Mere)」という称号を授けられ、それが「ラ・メール・プラール」という名前の由来だそうだ。

f:id:sa_tourism:20190916193252j:plain

赤い看板が目印の“ラ・メール・プラール”


私は今回の旅で、まだまともな食事をしていないなと思い、今日はちゃんとした食事をしよう!という目標を決めていた。

店の前には人だかりができていて、入ろうかどうか迷っていたが、店舗外の看板にQRコードがあり、それを読み込むとメニューを日本語で翻訳して見ることができた。「これなら注文できるかも」と思い、思い切って入ってみることにした。
パリのフレンチレストランに入る勇気はないが、ここなら観光客ばかりだし、日本人も多かったので、入りやすかった。

なかなかの混雑ぶりで、ウェイターもてんてこ舞の忙しさだった。
しかし、ここはオムレツを作る様子を外から見えるような造りになっていたので、列に並ぶ待ち時間の間オムレツを作る過程を見ることが出来た。

f:id:sa_tourism:20190916193300j:plain

フランス語が飛び交う素敵な厨房


カンコンカンコンとリズミカルに卵を混ぜる音が響く。
フランス人のシェフ達が楽しそうに話しながら仕事をしていた。
まるで「レミーのおいしいレストラン」を見ているようだった。
そして、混ぜた卵をフライパンにたっぷりといれ、炭火のかまどで焼かれた。半熟の卵を半分に折り返すと、とてもふっくらとしていた美味しそうなオムレツができあがっていた。「なんて素敵な時間だろう…」とその様子を眺めていた。

f:id:sa_tourism:20190916193256j:plain

炭火でじっくりと焼かれる


しばらく待つと、私の番がやってきた。
オーナーらしき給仕が英語で話しかけてくる。一人であることを伝えると、席を案内してくれた。給仕がイスをひいてくれて、席につく。
フレンチでは自分で勝手に席に着くのではなく、給仕の案内に従うものらしい。その文化に触れ、なんだかお姫様気分を味わえた。

メニューを見ても分からないので、スマホで翻訳されたメニューの中から選んだ。
しばらく待って給仕を探してキョロキョロしていると、少し離れた所にいた別の給仕と目が合った。その給仕はとても素敵な紳士だった。目が合うと、ニコッとして近づいてきてくれた。「やば~!かっこよ!」と思ってドキドキしながら、翻訳されたスマホの画面を見せながら注文をした。

注文したのは、“塩辛いバターと帆立を薪の火で調理したラ・メール・プラールオムレツ”。料理の内容を全て説明したネーミングである。

飲み物は高そうだったので水に。そして食後にカプチーノ、デザートに“カラメルりんごのカルトタタン”を注文した。ちゃんと注文が通り、さらに食後のデザートとカプチーノまで頼めて、すごく上級者っぽい注文ができたなあと思い、達成感と満足感でいっぱいになった。

待っている間、しばらく店内の様子を眺める。私の席は壁際で、壁には、今まで訪れたであろう著名人の写真が飾られていた。
パブロ・ピカソマリリン・モンロー、ココ・シャネル、各国の大統領などが、過去に訪れたらしい。そんな歴史的な場所に、今、私が、一人で…。すごいなあ〜と感慨にふける。

f:id:sa_tourism:20190916193217j:plain

壁にはたくさんの著名人のサインや写真が飾られていた


しばらくすると、ナイフやフォークが並べられ、お水とパンが配膳された。
おー、フレンチっぽいなあ〜。まさか、本場でナイフとフォークを使って料理を食べる日が来るとは思わなかった。

そして、メインのふわふわオムレツ、帆立と野菜をバターで炒めたつけ合わせが届いた。

まずボトルの水をコップに注ぎ、一人乾杯。
水は無料だったせいか、なんとなく生臭かった。

そして、メインのオムレツを食す。
味は、バターの焦げたような塩気のある味がほのかにして、ちょうど良い塩加減だった。食感は、空気をたっぷりと含んでいるため、泡のようにふわふわで、食べたらすぐになくなってしまう。

付け合わせの帆立の炒め物を食べる。こちらもバターの風味に帆立の塩加減と食感が相まって、絶妙な美味しさ。オムレツと共に食すと、尚一層美味しさが増す。
単体でも美味しいが、1+1が10にもなるような、組み合わせ。
これがハーモニーや!と感動する。

そして、パンも頂いた。さすがはフランスパン。固い。しかし、固いんだけど、よく噛んで食べると、小麦の味がしてきて、うまい。これは、おかずを引き立てる脇役である。ずっと食べていられる。

パン、オムレツ、付け合わせが、絶妙にマッチしていて、とても美味であった。
ふだん良いものを食べていないので、余計にそう思う。
そして、このロケーションが、おいしさを倍増させている。

こんな食事は2度とできないかも、、と思って、
とにかくゆっくりと、味わって食べた。

f:id:sa_tourism:20190916193311j:plain

メインのふわふわオムレツ

f:id:sa_tourism:20190916193329j:plain

バターで炒めた帆立と野菜の付け合わせ


もうおなか一杯になっていたが、私にはまだ食後のカフェとデザートがある。
ふふ、かっこいい。

食後の片付けをしてもらい、カフェとデザートが運ばれて来た。
クリームたっぷりのカプチーノと、カラメルりんごのカルトタタン。
カプチーノには、モンサンミシェル名物のバターサブレがついてきた。

りんごのカルトタタンは、カラメルに漬け込んだりんごがたっぷりと重なっていて、濃密な味わい。でも甘すぎず、りんごの食感も残っていて、とても美味しかった。甘くない生クリームが添えられていて、一緒に食べると逆に甘さが控えめになって、丁度良くなる。

口の中が甘くなった所を、クリームたっぷりのカプチーノで流し込む。
苦みと甘みが絶妙なハーモニーとなって、喜びをもたらしてくれる。

f:id:sa_tourism:20190916193332j:plain

カプチーノとカラメルりんごのカルトタタン


ゆっくり、じっくりと食事を堪能することができ、満足感で一杯になったので、お会計をすることに。

しかし、私は、値段も分からず注文するという、勇者だった。
まあ、自分の予算的には3000円ぐらいなもんでしょ、とタカをくくっていた。
しかし、あとで、調べてみると、どうやらここは超のつく高級店だったらしい。
旅行サイトの口コミなどをみると、「高い」、「ぼったくり」などの書き込みが…。

領収書をもらってびっくり、69.80ユーロ(8,842円)で、あーる。
「まじかい!ランチに8,800円!(汗)」
内訳は、
・オムレツセット…44ユーロ(5,243円)
・カラメルりんごのカルトタタン…18ユーロ(2,145円)
カプチーノ…7.8ユーロ(929円)
・税金 10%…6.35ユーロ(750円)
当時のレートでそのぐらいであった。

でも、仕方ない。有名店だし、ブランド料みたいなものだ。
一生に一度ぐらい贅沢したって罰は当たるまい。
満足感もあったし、後悔はしていない。

ただ予算の帳尻を合わせるため、夕飯は抜きましたけどね。笑

f:id:sa_tourism:20190916193319j:plain

後悔はないぞ