一人旅の記録

一人旅の様子を記録します。

2019 一人旅 in フランス。 10


2019.5.2.Thu

フランス旅行3日目。


おなかが一杯になり、いざ島内散策へ。

モンサンミシェルの案内パンフレットによると、修道院までの道のりには、
・観光客で賑わう「王道コース」(30分)
・外壁を通る「Viewコース」(40分)
モンサンミシェルの住人の暮らしや歴史を辿る「Historyコース」(35分)
・知る人ぞ知る道のりの「大聖堂コース」(45分)
の4通りがあるとのこと。
そして、その4通りの他に、猫の抜け道と呼ばれる迂回ルートもあるという。まるで迷路のような造りだ。

私は人混みが苦手なので、人通りの少ない「Historyコース」を通ることにした。

お土産やさんなどが立ち並ぶ通りは、人でごった返していたが、「Historyコース」の脇道に入ると、人はまばらになり、そこはもう別世界。

ジブリやディズニーの世界に迷い込んだような、とても素敵な風景。
石造りの建造物は日本にはあまりないので、とても魅力的に感じた。

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おみやげ屋やレストランが並ぶ、島のメインストリート

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通称“猫の抜け道”と呼ばれるルートへ

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まるでジブリの世界観


たくさんの歴史的建造物。
空、風、空気。
すべてが異空間で、非日常だった。

西洋の風景への憧れがずっとあったので、
その世界に入ることができてとても楽しかった。

少しずつ上に上がって行く。
修道院が近づいてくる。

道の途中には、かつて島内に住んでいた住人の先祖の墓地があった。
そして、今日ランチを食べた「ラ・メール・プラール」のプラールさんもここに眠るという。この美しい景色を眺められるこの場所で眠れて、とても幸せそうだなと思った。

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美しい城にため息が出る

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かつての島の住人が眠る墓地


モンサンミシェルは8世紀の始めごろ、修道院として建設されたそうだ。
しかし、イギリスとの百年戦争時代には要塞だったり、フランス革命時には監獄だったりと色んな歴史を繰り返してきた場所だという。

現在は世界遺産に登録され観光地となったが、今も島内に住んでいる修道女がいるそうだ。どんな生活をしているのか、とても興味深い。

そして大階段を登ると、修道院に辿り着いた。
上からは、辺り一面の景色を見渡すことができ、とても美しかった。
潮が少しずつ満ち始めていた。

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修道院へ続く大階段

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塔の上から見た景色

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そびえたつ修道院

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修道院と印象的な空


そして、修道院の中へ。
高い吹き抜けに圧倒された。
中は、ひんやりと涼しくとても厳かな雰囲気だ。

着席し、しばしその空気を味わう。
何年もの歴史や時間が、私を包み込む。

遠く離れたこの場所に今いることが
とても不思議だった。

しかし、不思議なことに、かつてここに来たことがあるのではないか、そう思えるような懐かしさというか、また来れたというような気持ちになった。

私は心から、ここに訪れたいという気持ちがあった。
その魂の叫びを成就することができて、心がとても満たされた。

しばらく見学していると、祈りの時間が始まった。
修道女が鏡を出し、ろうそくを灯し、祈っていた。
撮影は禁止されていたので、私も眺めながら陰ながら平和への思いを馳せた。
記帳ノートがあったので、名前を記しておいた。

遠い場所で、こんな風に祈りを捧げている人がいるんだな、と思った。
世知辛いこの世界で、その行為はとても尊く映った。

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心が浄化されるような厳かな大聖堂


教会を出ると、「ラ・メルヴェイユ」という回廊に出た。
ここは修道士たちが休憩をしたり、瞑想などをする場だったそうだ。
芝生が美しい中庭が中央にあり、まるで天国のようだった。
瞑想をするには最高の場所だったろうと思う。

回廊の他には、食堂、騎士の部屋、貴賓室などもあった。
かつては実際に使われていたと思うと、不思議な気持ちになる。

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修道士の瞑想の場 “ラ・メルヴェイユ

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かつての修道士たちの食堂


回廊を出てみると、潮が満ち始めていた。ゴーッという音とともにすごいスピードで海ができていく。さっきまで干潟だったのに、海になっていく様子はとても不思議だった。

しかし城全体が海に沈むのは、年に数回の大潮の日だけ。
ディズニー映画「ラプンツェル」のような海に浮かぶ城の景色を見たいものである。
いつかまた大潮の日に来たいなと思った。

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潮がすごい勢いで満ちてきた

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創設者が眠るサントベール礼拝堂も海に囲まれる


また、行き道では気付かなかったサンピエール教会という教会もあった。
ステンドグラスが美しい礼拝堂で、たくさんのキャンドルに火が灯してあった。
キャンドルからキャンドルに火を灯して、祈りを捧げるというものだ。
私も1.5ユーロでキャンドルを買い、火を灯した。

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ステンドグラスが美しい “サンピエール教会”

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キャンドルに祈りを灯す


島内を一周しスタート地点へ戻ってくると、日没へ向かう太陽が、満潮の海へ沈もうとしていて、とても綺麗だった。
城、海、夕暮れ、、、この世の美しいものがすべて揃ったような瞬間だった。

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夕刻のモンサンミシェル


散策も終え海風が強く寒かったので、無料のシャトルバスに乗り、一度ホテルへ戻った。

そして、本日の宿へチェックインした。
インテリアはとてもポップな配色で明るく、とても可愛かった。
スタッフの人も優しくて安心した。

部屋もとても可愛くて、静かで落ち着いた。何より、バスルームが独立していたのが良かった。パリのホテルは仕切りがなく、水浸しにならないよう気を使ったが、ここなら安心してシャワーが浴びれるのが、とても嬉しかった。

ランチにお金を使いすぎてしまったので、夕飯は無し。笑
インスタントコーヒーのサービスもあったのもポイントが高かった。

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ポップでかわいいホテル。独立型シャワーが嬉しい


シャワーを浴びたり、1日を振り返ったりして少し休憩した後、夜のモンサンミシェルを見るために、散歩に出かけた。

外は、とにかく海風が強くて寒かった。
そして、時間は22時だというのにまるで夕方のような明るさ。
カルチャーショックだった。明るければあまり眠くならないものである。
フランスは活動時間が長くていいなあと思った。

夜のモンサンミシェルは、ライトアップされ、すごく幻想的だった。
これが見たかったんだよなーと胸がいっぱいで涙が出そうだった。

強風の中吸い寄せられるように歩いた。

ここに住みたいと思わせるほど、とにかく好きな場所だった。

しばらく眺めていると、本格的に寒くなりだして、
身体が悲鳴をあげ始めたので、ホテルへ戻った。 


長年の夢が叶った1日。

とても満たされた心で、夢心地のまま眠りについた。

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夢をありがとう